2000年6月4日の観察会
富士山NET「富士山の植物」の磯田さんに案内していただき、青木ケ原樹海など、北麓の散策を行いました。山梨県側は人工林化が広範囲に及んでいますが、自然林としては新期溶岩流上に発達した比較的新しい森が残っており、その中の一つ青木ケ原樹海は今から1,100年程前の噴火で流出した溶岩流上に発達した約30平方キロメートルの大樹海です。この溶岩大地は長い間草原の状態が続き、森が発達し始めたのは今から約400年前からといわれ、現在はヒノキなどの先駆植物を中心に森が形成されている若い森です。この季節、ササバギンラン、ツクバネソウ、イワセントウソウなどの草花が見られました。寄生火山の大室山に近づくと森の様子は一変します。約3,000年前に火山灰の噴出でできた大地に森が発達し、ブナやミズナラなどの巨木も見られる夏緑樹林が形成されています。炭焼小屋の跡なども見られ、この森がかつては人間の生活活動と関わりがあったこともうかがわれました。
氷池は青木ケ原溶岩流を噴出した長尾山近くにあります。周囲はウラジロモミの人工林で、鹿が樹皮を食べた跡も僅かに見られました。旧林道から外れて森の斜面を登るとごつごつの溶岩大地の自然林になります。斜面を登りきると縁が切り立った大きな窪地がありました。噴火口にも見えますが、巨大な風穴が陥没した様にも見えます。底に下りていくと気温がぐんぐん下がり、息が白くなりました。岩のすき間には大きなつららや残雪があり、「氷池白(自?)太龍王」と書かれた石碑がありました。(参加者9名)
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